社会連携

建築コースの学生が設計!団地リノベーションプロジェクト

建築コースが京都市住宅供給公社と協働してリノベーションを実施した二軒茶屋団地。2017年3月に工事が完了し、春から本学の学生が入居しています。
今回、学生がリノベーションに関わったのは3部屋。設計を担当した建築コースの4年生3名と入居した3名の学生からそれぞれ話を聞きました。
 
 
■「豊かなアトリエ土間」
設計担当:濱田 希さん、稲葉美帆さん(デザイン学部 建築コース 4年)
住居の半分を土間にして、アトリエやコミュニケーションスペース等の利用を想定
設計者コメント:濱田 希さん(デザイン学部 建築コース 4年)
部屋の半分を丸ごと土間にすることにより、入居者が団地に住む人と共同で何かをしたり、近所の子供たちが習い事をしに来たりするようなコミュニケーションが生まれる空間を想定しました。イメージは「自由度の高い一人暮らし」。竣工した際は、達成感と二次元が三次元になったときの楽しさを感じました。
 
入居者コメント:K・Gさん(マンガ学部 キャラクターデザインコース 1年)
玄関から直結した土間に自転車をそのまま持ち込めるので、完成した部屋の内見を行って、「ここだ!」と決めました。土間には大きな作業デスクを置いており、広いスペースでリラックスして課題などの作業を行える点が気に入っています。また、汚れを気にせず、自転車のメンテナンスを行えるのが嬉しいです。
■「ルーバーと畳の間」
設計担当:星川 歩さん、井上堅二さん(デザイン学部 建築コース 4年)
畳に縁側が連なるくつろぎ空間とルーバーをカスタマイズ可能な収納を提案した部屋
設計者コメント:星川 歩さん(デザイン学部 建築コース 4年)
現代に一人暮らしで畳の空間や縁側があるようなマンションはあまりないので、そういうものがあってもいいのではないかと思ったのがきっかけです。そこで、畳や縁側をどのように現代的に使えるようにするかを工夫しました。竣工してみると、予想以上に収納スペースを多く取れたので、機能性の高い部屋になりました。また、縁側から見える景色がとても美しく、マンションに住んでいながら季節の移り変わりを感じられる空間になりました。畳は茶道や華道のように作法を伴う厳かな空間にもなるし、だらっと寝転がることもできる両方の面をもった空間、入居する人の意のままに使ってもらえたらと思います。
 
入居者コメント:K・Mさん(芸術学部 造形学科)
設計図の段階で畳がメインになる部屋と聞き、完成を見ないで入居を即決しました。完成した部屋を見て、部屋の広さや畳が小上がりになっていてその下に収納があることに感動しました。メインの畳の部屋にあるルーバーは、趣味のぬいぐるみや離れた実家の思い出のグッズなどを飾っています。可動式で自由にカスタマイズできるので、気分に合わせて模様替えをして楽しんでいます。
■「収納を楽しむ家」
設計担当:柴田奈穂さん、小川紗由さん(デザイン学部 建築コース 4年)
自分の持ち物を収納することに、部屋のインテリアとして飾ることを掛け合わせ、移動可能なオリジナルデザインの家具を配置
設計者コメント:柴田奈穂さん(デザイン学部 建築コース 4年)
物が増えすぎると部屋が狭くなるので、広く使えるように収納をたくさん配置しました。また、見た目も損なわないように飾りとしても使えるような収納の家具になるようにしました。今までは実寸台の設計の経験がなく、人がどういう動きをするか、どうすれば無駄のない導線になるかなどをしっかりと考えたことがありませんでした。そこで、部屋の模型の中に人の模型を配置して動かしてみたり、人の視線でカメラを置いて写真を撮ったりといった工夫をしました。そのおかげで、実際に歩いてみても使いやすい導線になったと思います。
 
入居者コメント:Y・Iさん(マンガ学部 アニメーションコース)
内見に行った際には、まだ施工中だったため、色々とリクエストを行い、カスタマイズしてもらいました。例えば、玄関脇の壁は取り外す予定だったところを、プライベートの仕切りとして残してもらいました。また、服が多いので、押入れをクローゼットとして利用し、洋服がかけられるようにハンガー用ポールを設置してもらいました。何より広い空間を贅沢に使える点が気に入っています。

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