発想力と画力を鍛え、 1枚の絵でメッセージを伝える

1枚の絵で、見る人にメッセージとユーモアを伝えるカートゥーン。高い画力と発想力で、自分の世界観を1枚の絵に表現します。基盤になるのは、1年次の夏休みに動物園で取り組む「500枚クロッキー」。ひたすら描きつづけることで、観察力と描写力を徹底的に鍛えます。また、「風刺画」などの授業を通して、批評的な視点や、時代を切り取って描く力を育成。ユーモアのセンスなどもみがきます。3年次からは「カートゥーン」「絵本」「アート」の3クラスに分かれて、専門分野をより深く学びます。新しいものを生み出す独創性と確かな表現力を培った卒業生たちは、風刺マンガ・絵本・ゲーム・広告・アニメーションなど、さまざまな世界で活躍しています。

科目PICK UP

  • 基礎画力を磨く伝統の授業。500枚のクロッキーを描く。

    [絵画技法1/1年]
    カートゥーンコースの伝統授業。夏休みに最低500枚のクロッキーを仕上げます。動物園の動物や、駅を行き交う人の姿を何枚も描き、観察力や描写力を磨きます。描けば描くほど画力は伸びるので、取り組めば夏休みの後に大きな成長が実感できます。

  • 風刺マンガの表現技法を学ぶ。ショート絵本の制作にも挑戦。

    [風刺画2M/2年]
    単なる似顔絵とは異なる「カリカチュア(風刺マンガ)」について、表現技法などを中心に学びます。授業では、自分の感性を生かしながら、実在する人物の特徴やニュースのポイントをとらえた絵を制作。最終的には4ページ程度の絵本をつくります。

4年間の学び

  1. 1年次

    FIRST

    制作の基本、画力を固める

    紙とペンを使った手描きにこだわり、デッサンやクロッキーを重ね画力を伸ばします。これからの制作の基盤となる画力と観察力を鍛えていきます。

  2. 2年次

    SECOND

    さまざまな画材と技法を知る

    多様な画材や技法に触れ、表現力を伸ばすと同時に、カートゥーンを描くための基本的な発想法を学び、ユーモアのセンスをみがきます。

  3. 3年次

    THIRD

    3クラスに分かれて表現を追求

    カートゥーン・絵本・アートの3クラスに分かれて、制作に取り組みます。マンガ学部共通の選択科目でアニメーションやゲームを学ぶことも可能。

  4. 4年次

    FOURTH

    独自のスタイルを確立する

    卒業制作に取り組み、自分の表現スタイルを完成させていきます。絵本作家やイラストレーターなどをめざして、公募展などへの応募にも取り組みます。

4年間で身につく能力

  • 絵画表現の基礎となる画力
  • 社会や時代を見通す洞察力
  • 独自の世界観を構築し、表現する力

作品

施設

対峰館にある実習室。学年ごとに教室があり自分のデスクで制作に励みます

PICK UP!

  • カートゥーンギャラリーでは学生作品のほか、プロの作家によるマンガ作品が展示されています。

教員

非常勤講師

  • 石橋智香 / イラストレーター・ファッションデザイナー(担当:基礎デジタル演習1N・2N・3N・4N)
  • 市川伸彦 / 画家(担当:デッサン1(マンガ01))
  • 王前 謙(担当:マンガ基礎実習1M・2M・3M・4M)
  • 黄 欣(担当:マンガ基礎実習1M・2M・3M・4M)
  • 名知聡子 / 画家(担当:カートゥーン1M・2M(名知)、自由制作M(名知)、卒業制作実習M(名知)、卒業制作M(名知))
  • 吉村昌子 / 油画(担当:クロッキー1M・2M)

卒業後の進路

描く対象を早く的確にとらえる圧倒的な画力を武器に、マンガや絵本の作家として活動をつづける卒業生が多くいます。それだけではなく、その表現力とユーモアセンスを活かしてデザイナーとして就職する学生も。身につけた力はさまざまな分野で活かせます。 

  • イラストレーターや絵本、コミック作家として活躍
  • メッセージの表現力を活かしたデザイナー
  • たしかな画力と表現力をもつアーティスト
  • きたえた描画力をもったアニメーター

取得できる資格

在学中、指定された科目単位を取得すれば、以下の資格を取得することが可能です。
その他、検定・資格取得のための支援講座も用意されています。
 
  • 高等学校教諭一種免許状(美術)
  • 中学校教諭一種免許状 (美術)
  • 図書館司書
  • 博物館学芸員

VOICE

  • 吉田 雪美さん在学生

    目標は絵本作家。多くの人を笑顔にする作品をつくりたい。

    絵本作家は幼い頃からの夢です。高校時代、絵本の原画展へ行ったとき、魅力的なキャラクターをいろいろな画材を使って描いた作品に一目ぼれしました。その作家さんがカートゥーンコース出身と知り、自分も同じ環境で学びたいと考えて入学を決めました。1年次のときは動物園でクロッキーをしたのですが、全然うまく描けなくて。悔しくて何度も通って練習し、学内の資料も活用して研究を重ねました。するとだんだん、自分の描くキャラクターが動きのある生き生きとしたものになってきたんです。努力は必ず自分の力になるんだ、と実感しました。他に参考になった授業は「動態描写」。「走る」などの課題を与えられ、自分のキャラクターでその動きを表現するもので、骨格や筋肉の動きについてアドバイスをもらえます。2年次に受けた、テーマに沿って風刺を入れた絵を描く「風刺画」の授業も印象に残っています。毎回、先生の発想が面白く、学生同士で作品について意見を言い合う合評も勉強になりました。ここで学んだ3年間は、「こんな発想の仕方があるんだ!」という発見と驚きの連続でした。将来は学んだ表現を活かし、大勢の人を笑顔にするような絵本作家になりたいです。
  • 玉田 京子教員

    描くことで己を知り、 自分のスタイルを見つける。

    カートゥーンコースの伝統は、1年次から大量のデッサンやクロッキーに取り組むこと。夏休みには動物園で500枚のクロッキーを仕上げる課題があります。最初は描く力がなくても大丈夫。徹底的に繰り返すことで、少しずつ着実に描けるようになりますよ。また、クロッキーを続けると、自分の個性を発見するおもしろさも味わうことができます。人やモノをよく観て、そこで感じたものを形にする訓練が、あなたならではの表現を確立することにつながります。自分だけの世界観でオリジナリティーの強い作品を制作したい人は、“描く”ことで、それを見つけてください。技術だけではなく、人間についても学んでほしいですね。同級生や教員はもちろん、異なる国で育った人、立場が違う人、世代の違う人とも話してみましょう。多様な人と接するほど、見えなかったものが見えてきます。既成概念にとらわれず、体験し、考え、感じることに注力すれば、創造力はもっと豊かに育ちます。人と出会い、社会を広く見渡して、今の自分が「何を」「何で」表現するべきかを考えましょう。表現とはあなた自身であり、描画技法はそれを実現する手段なのです。