吉村 和真 YOSHIMURA Kazuma
- 専門分野
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思想史 / マンガ研究
- 所属
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- マンガ学部 共通教員
- 大学院 マンガ研究科
- 専務理事
経歴・業績
立命館大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、これまで蓄積してきたマンガ研究成果の社会還元を進めている。専門は思想史・マンガ研究。主編著に『差別と向き合うマンガたち』(2007年)、『マンガの教科書』(08年)、『複数の「ヒロシマ」』(12年)、「コンビニエンスなマンガ体験としての『知覧』—『実録神風』のメディア力学」(福間良明・山口誠編『「知覧」の誕生』所載、15年)、「手塚治虫—逆風が育んだ「マンガの神様」」(岩波叢書『ひとびとの精神史』4巻所載、15年)、『障害のある人たちに向けたLLマンガへの招待—はたして「マンガはわかりやすい」のか』(18年)、「ギャンブルマンガのメディア論—『パニック7』という名のパチスロマンガ雑誌が賭けたもの—」(日本記号学会編『賭博の記号論』所載、18年)。など。
メッセージ
一口に「マンガ研究」と言っても、何をどうやって研究するのか、うまくイメージできない方も少なくないでしょう。マンガの良し悪しを論じるのが「マンガ研究」ではありませんし、そもそも「マンガ研究」と「マンガ評論」は違います。
私の研究テーマは、おおまかに説明すると、「マンガを読む」という行為が日常生活に定着するまでの歴史と、その「マンガを読む」という行為が人間の物事の考え方や感じ方にどのように影響するかを考察することです。
マンガは私たちの身の回りにあふれています。本屋やコンビニで売っているものだけでなく、新古書店やマンガ喫茶、床屋や食堂などにも、手垢や油にまみれたマンガが置いてあります。いったい、いつごろ、どのようにして、こんな環境ができあがったのでしょう。
また、私たちは、絵本やアニメを含め、幼い頃から「マンガ的世界」や「マンガ的表現」に接しています。例えば日本では、アンパンマンやドラえもんと出会わずに小学生になることはほぼ不可能でしょう。気がつくといつのまにか、いろんなキャラクターたちが頭の中に住みついているのです。はたして、その過程で、私たちにはどんな思想や価値観、感性が身に付くのでしょうか。
ここまで読んで、あ、自分も「私たち」の一員だ、と思われた「あなた」、この大学で一緒に考えてみませんか。