磯辺 ゆかり ISOBE Yukari

北海道札幌市生まれ。ビジネス翻訳の仕事を経て、和歌山大学大学院教育学研究科修士課程（教科教育専攻）修了、関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士（言語コミュニケーション文化）。

ことばの世界を単語と単語の「つながり」という観点から眺めてみるとおもしろいことが見えてきます。レオ・レオニが描いた「スイミー」という絵本をご存知ですか？たくさんの小さな魚たちがあつまって、いつも一緒に泳いでいるうちに、いつのまにか大きな１匹の魚になってしまう、というお話です。これと同じことが「ことば」の世界でも見られます。いくつかの単語同士が何度も一緒にくり返して使われているうちに、いつのまにか複数の単語のかたまりが、心の中ではまるで一つの「単語」のように感じられるという現象です。この「ひとかたまり」の表現を数え切れないほどたくさん記憶の引き出しに入れて、まるでレゴのブロックを組み立てるように、自由自在に「表現のかたまり」を組み合わせながら、人は話したり聴いたりします。この時、文を組み立てるブロックが大きいほど、すばやく正確に言いたいことが表現できます。世界の言語に共通するこの不思議なことばの成り立ちを新たな学びのフィールドで体感してみませんか？