社会全体をデザインできる 「建築家」になる

建築コースでは、人が関わるあらゆる場所や空間を総合的にデザインする「建築家」の育成をめざします。授業では、住宅設計の基本をはじめ、伝統的な技術や先端的な工法など、幅広い知識を習得。インテリアや都市計画などについても学びます。特に重視しているのは、模型制作、CG制作、スケッチなどの実習を通して、イメージを形にする訓練を重ねること。そして、現場を訪れ、状況を観察し、その場で考える経験を積むこと。さらに、ここにアートの視点や発想力を加えて、建築家として社会に貢献する力を育てます。このほか、英語で建築を学ぶ授業やワークショップ、海外を視察する機会も用意。国際感覚をみがき、世界で活躍できる建築家をめざしましょう。

科目PICK UP

  • 建築の基本を英語で学習。グローバルに活躍する力を養う。

    [設計基礎2/1年]
    建築設計の基礎を学びます。用途、敷地、スケール、人間関係などの条件に合わせた空間を構想し、それを構築する力を身につけます。国内外で幅広く活躍する力を得ることを目標に、講義、課題、プレゼンテーション、講評、すべてを英語で行います。

  • 平面のコラージュ作品を立体にしたら?スケール感覚を鍛える。

    [設計基礎4/2年]
    教室の中の巨大なスプーン、浴室いっぱいの定規など、風景の中に異物を入れるコラージュ作品をつくり、後にそれを空間作品に展開させます。対象物のスケールを頭の中で大小に変動させてとらえる力や、想像力、企画構築力などを身につけます。

オンライン説明会

4年間の学び

  1. 1年次

    FIRST

    技術・発想力・英語力をみがく

    さまざまな条件での課題に取り組み、設計の基本を学び、同時に新しい建築を追求しながら発想力を伸ばします。英語で実技を学ぶ授業も。

  2. 2年次

    SECOND

    イメージする力を育てる

    未来の京都、新しい建築、生活の風景など、社会に対する想像力を鍛える課題に挑戦。人や暮らしに寄り添った設計ができる力を身につけます。

  3. 3年次

    THIRD

    「スタジオ制」で学ぶ

    建築家である教員の特色ごとに分かれ、実際の建築スタジオと同様の体制で学びを深めます。著名な建築家から作品講評が受けられる機会も。

  4. 4年次

    FOURTH

    卒業制作でアイデアを形に

    引き続きスタジオ制で学びます。4年間で培った知識や技術、発想力を生かして卒業制作に取り組み、建築家として、これからの社会のあり方や暮らしの姿を提案します。

4年間で身につく能力

  • 人間の身体、空間、建築、都市に関する知識
  • 現実社会の問題に対する企画力と実践的な表現力
  • 世界に通用するデザイン力とコミュニケーション能力

作品

『まわる まわる まわる』 / 4年生 / 佐々木美紅 + 福岡拓巳(2020年度建築コース最優秀作品)

『道祖神に集いつながる』 / 4年生 / 木下広香

『Natures Prism』/ 3年生 / 長里実奈

『BE PART OF….』/ 3年生 / 小山利奈

『Cave of Bookshelf』/ 2年生 / 清水陸寿

『たまり場』/ 2年生 / 徳高杏樹

『Fruits Flower』/ 1年生 / 國枝 慈

『Jimmy’s Gallery』/ 1年生 / 中野 平

施設

究明館

究明館は建築コース専用の工房。木材や金属、樹脂など建築の設計などに欠かせない素材を加工する機器がそろっており、建築模型や家具などをつくることができます。

PICK UP!

  • 実習室には図面や模型がならび、建築事務所さながらの雰囲気。

教員

非常勤講師

  • 有馬 徹 / アートディレクター・デザイナー(担当:仮想空間論 A)
  • 内田吉紀 / 建築家(担当: デッサン1(デザイン)、建築基礎実習3A・4A)
  • 小笹泉 / 建築家(担当:設計基礎3(旧:建築設計基礎1) A)
  • 小松一平 / 建築家(担当:設計基礎3(旧:建築設計基礎1) A)
  • 後藤直子 / 建築家(担当:施工演習A・R、建築法規演習A・R)
  • 呉 鴻(担当:仮想空間演習 A(1)・A(2))
  • 才門俊文 / 建築家・家具 照明デザイナー(担当:伝統建築工法A・R、フィールドワーク2A)
  • 津田朋延 / 建築家(担当:設計基礎4(旧:建築設計基礎2)A)
  • 寺尾文秀 / 建築造作家(担当:コンピューター演習2A)
  • 殿井 環 / 建築家(担当:設計3A・4A)
  • 長野良亮 / 建築家(担当:建築構造A・R、建築力学A・R、般構造AH・R)
  • 花本 晋 / 建築家(担当:建築基礎実習1A・2A)
  • 平川富実雄 / 建築デザイナー(担当:コンピューター演習3A、プレゼンテーション演習2A(1・2))
  • 古川晋也 / 建築家(担当:設計1A・2A)
  • ベッティーナ・ショウシン・ラングナー寺本(担当:デザイン専門英語 (2)A)
  • 八木夕菜 / ヴィジュアル・コンポジット・アーティスト(担当:設計基礎4(旧:建築設計基礎2)A)

卒業後の進路

建築家として必要な知識と技術とともに、新しい社会や人の暮らしをつくり出す発想法や考え方がみがかれる建築コース。建築士の資格を取得し、建築事務所に就職する人、またクラスメイトらと一緒に建築事務所をたちあげる人が多いのが、このコースの特徴です。

  • 住宅から商業施設、都市までを設計する建築家
  • インテリアデザイナー
  • 家具や照明のデザイナー
  • 飲食店やセレクトショップのプロデューサー

取得できる資格

在学中、指定された科目単位を取得すれば、以下の資格を取得することが可能です。その他、検定・資格取得のための支援講座も用意されています。
  • 一級建築士受験資格
  • 二級建築士受験資格
  • 木造建築士受験資格

VOICE

  • 木下 広香さん在学生

    人と自然の関わりをつくる建築士をめざしています。

    福祉の仕事をめざしていた私が、建築士に興味をもったのは高校生のとき。ボランティア活動で車椅子の方の介助をするなかで、建物の段差やスロープに目が行くようになりました。調べていくうちにバリアフリーの設計にも多様な意図や目的があると知り、建築の奥深さに魅了されていきました。建築デザインに求められることは、見た目の格好良さだけでなく、その土地に住む人たちの生活をより豊かにすること。先生のアドバイスで、建物や空間を構想するときは必ずモデルとする場所に赴いて、その土地に住む人たちの暮らしや街の風景を観察するようにしています。現地の空気を肌で感じた経験が、リアリティのある構想につながっていると感じています。いま注目しているのは、自然と共生する建築。長野県で育った私にとって、豊かな自然環境は食生活を支える資源、そして心を癒してくれる存在でした。環境破壊が叫ばれているなか、自然を身近に感じる暮らしの魅力を建築の視点で提案したいと考えています。卒業後は、地元の工務店に設計士として就職が決定しています。自然と人間の共生を考え続けながら、故郷のまちづくりに貢献していきたいです。
  • 高松 樹教員

    建築は、人を想うことから始まる。

    教員を務めながら、建築家として住宅や保育園の設計を手がけています。建築という世界には、幅広い要素が含まれています。家や施設などの建物はもちろん、手のひらにのる小さなモノも、建物が集まる大きな都市も、すべてその世界の一部です。そして、そんな広い建築の世界を考えるとき、私たちは人について考えることから始めます。暮らす人の姿を想いながら、コツコツとモノをつくり、空間を築いていく。それが、建築家の仕事です。モノづくりが好きな人はもちろん、思いやりのある人にお勧めしたい職業です。建築コースの魅力は、恵まれた制作環境です。充実した設備が整っており、教員は学生の自由な発想を大切にしています。創作意欲さえあれば、どんどん突き進んでいけるはず。頭の中のアイデアを作品として完成させたとき、自分でも思いがけない空間を発見する楽しさを、ぜひ味わってほしいです。また、国際色が豊かであることも特色のひとつ。海外視察ツアーなどがあり、いろいろな国の人と交流する機会があります。知らなかった知識、世界、人との出会いを通して、ものごとを深く考える力と、コミュニケーション能力を身につけましょう。