映像にしかできない表現で 観た人の心を揺さぶる

映像専攻では、観た人の心を動かすアートとしての映像制作に取り組みます。カリキュラムは、アートアニメーション、ショートムービー、メディアアートの3領域を軸にして編成。ミュージックビデオ、CM、映像インスタレーション、プロジェクションマッピングなど、多彩な作品をつくることができます。第一線で活躍するアーティストを招いた授業もあり、最新の技術や表現方法に触れることで、作品の幅が広がります。また、「つくること」と同時に「伝えること」も重視し、学生が企画・運営する上映会を開催しています。作品を発表し、反応を受け取ることで、一回り大きく成長できるはず。4年間の学びを通して、自分だけの映像表現を見つけましょう。

科目PICK UP

  • 第一線で活躍する作家から、映像表現の幅広い可能性を学ぶ。

    [造形実習/3年]
    国内外で活躍するアニメーション作家、映像作家、現代美術のアーティストなどをゲスト講師として招き、講義やワークショップを行います。第一線で活躍するプロフェッショナルから話を聞くことで、映像の仕事の内容を理解し、卒業後の自分の姿を思い描き、制作意欲を向上させます。また、新しい表現に挑戦し続ける作家の考えに触れることで、映像の幅広い可能性を知り、自らの作品を進化・発展させるヒントを獲得します。4年次の卒業制作に向けて、柔軟な発想を身につけるための授業。2年次までに培った映像表現の知識と技術をベースに、ここで得た力を加えて、集大成となる作品制作に取り組む準備を整えます。

4年間の学び

  1. 1年次

    FIRST

    表現者の「幹」をつくる

    芸術学部の共通科目を受講して、観察力や思考力、想像力など表現者としての「幹」を育みます。また、7専攻の基礎を広く学び、これから追求する分野を検討していきます。

  2. 2年次

    SECOND

    映像制作の基礎技法を習得

    3DCGは「3ds Max」、2Dアニメーションは「CLIP STUDIOPAINT」、映像は「Adobe Premiere Pro」「Adobe AfterEffects」などのソフトを使って学びます。

  3. 3年次

    THIRD

    個人・グループで作品を制作

    撮影から編集まで、一人で作品を完成させることを経験。進級制作はグループで取り組み、作品は上映会などで発表し、積極的に学外へ発信します。

  4. 4年次

    FOURTH

    自分の表現を追求する

    4年間で培った技術や表現力を駆使して、卒業制作に取り組みます。自分自身の表現やオリジナリティを追求しながら、学生生活最後の作品を完成させます。

4年間で身につく能力

  • アートの視点を持った、映像表現力
  • 作品の意図を伝えるプレゼンテーション力
  • イベントを企画・運営・プロデュースする力

施設

学年を越えて集まれるオープンスペース。ミーティングや上映、ギャラリーとしても使えます。

PICK UP!

  • 映像専攻専用のPCルーム。32台のMacを配備したデジタル編集作業スペースです。

  • スタジオ撮影やメディアアート演習に使用する多目的なスタジオスペース。

  • 暗室化できるスタジオで、パペットアニメや手描きアニメーションを撮影できる環境が配備されています。

教員

非常勤講師

  • オオニシカオリ / アニメーション作家(担当:造形基礎1・2・3・4(映像)、基礎演習2G・4G・6G(映像))
  • 小野ハナ / アニメーション作家(担当:造形実習2 (映像))
  • 合田健二 / 映像ディレクター・シナリオライター(株式会社ギャラクシーオブテラー代表取締役)(担当:造形実習3(映像))
  • 櫻井篤史 / 映像作家・映像製作事務所ファインダーズ ビューロー代表・映像ギャラリーLumen gallery主宰(担当:造形基礎1・2・3・4(映像)、基礎演習1G・3G・5G・7G(映像))
  • ナガタタケシ / 映像作家(担当:造形実習1・2・3・4(映像))
  • 中田秀人 / アニメーション作家・ソバットシアター代表(担当:造形基礎1・2・3・4(映像))
  • 人長果月 / 美術家(担当:造形基礎1・2・3・4(映像))

卒業後の進路

めざせる職業
テレビ、CMの映像ディレクター / CGデザイナー / メディアアーティスト など
 
主な就職先
Web制作会社 / 映像制作会社 / アニメーション制作会社 / ゲームメーカー など

取得できる資格

在学中、指定された科目単位を取得すれば、以下の資格を取得することが可能です。
その他、検定・資格取得のための支援講座も用意されています。
 
  • 高等学校教諭一種免許状(美術・工芸)
  • 中学校教諭一種免許状(美術)
  • 図書館司書
  • 博物館学芸員

VOICE

  • 岡澤 侑希さん在学生

    実験映画のパイオニアとして世界をめざす。

    父親の影響で高校生の頃から「実験映画」という映像ジャンルに触れ、映画祭などに足を運ぶうちに、自分でも作品を撮りたいと思うようになりました。憧れの作家が教鞭をとっていたこともあり、その贅沢な環境に惹かれて京都精華大学に入学を決めました。 実験映画とは、同じシーンをループさせるような作品や暗闇を撮り続ける作品など、一般的な起承転結にもとづいたストーリー形式から逸脱した映像のこと。メディアアートなど、芸術作品としての映像を学べるところが、自分にぴったりだと感じています。いま挑戦しているテーマは「無意味」。映像を観る行為そのものを鑑賞者に問いかける、そんな作品をつくりたいと構想しています。一方で、プロジェクションマッピングやミュージックビデオなど、他者に伝えるための映像制作にも授業では取り組みます。脚本や構成、最先端の技術を基礎から学んだことや、学生同士で作品の感想を伝え合う日常が、自分の作品制作の糧になっていると感じています。将来の夢は、アーティストとして多くの人に自分の作品を届けること。ニューヨークの現代美術館で展覧会を催すことを夢見て、制作を続けていきます。
  • 西 光一教員

    広い視野をもって、 映像の新しい可能性を探ろう。

    映像は複合的なアートです。学生の中には、映像と絵画表現を混ぜたようなアニメーションをつくる人や、映像と立体造形を合わせて作品をつくる人がいます。私自身は、社会と積極的に関わって行う「ソーシャリー・エンゲージド・アート」と映像を融合させた表現の研究に取り組んでいます。この分野を志す人には、絵画、音楽、演劇、映画、文学など、異なる分野の芸術にも興味をもつ姿勢が欠かせません。複合的な表現の可能性を探ろうとする意思と、それを実践する行動力が大切なのです。短編映画、プロモーションビデオ、ストップモーションアニメなど、映像作品
    にはさまざまな形があります。どれに関心があるかは、一人ひとり異なるでしょう。この専攻の魅力は、各自がやりたいことを自由に探求できる授業を設けていること。好きな分野で思いきり才能を伸ばすことができます。きっと、周りで同じように自分の世界を追求する仲間の作品も、良い刺激になると思います。他者、他専攻、他学部から多くを吸収できる恵まれた環境を生かし、学びと遊びからさまざまな経験を重ね、それらをコラージュして作品にまとめる力を養ってください。
  • 伊奈 新祐教員

    好奇心を追求し、あなただけの映像表現を。

    映像は実に表現の幅が広い分野です。たとえばアニメーションひとつとっても多様な技法があり、身体パフォーマンスや物質など他の表現と組み合わせることもできます。最近ではデジタルツールが発達して、誰でもある程度きれいに撮影したり編集したりすることができるようになりました。自由度が高く、誰にとっても身近で可能性の広がりがある表現だからこそ、「個性」を出していくことが大事です。まずはあらゆる技法の中から、自分の個性をもっとも打ち出せるものを選び出す。そして、自分の好きなことを飽くなき好奇心をもってしぶとく追求していけば、おのずと個性は表に現れてくるはずです。いまはインターネット上でさまざまな作品を観ることができます。有名無名、時代に関わらずアーカイブされているので、研究・制作にこの上ない環境といえます。ですが、私がみなさんにいちばんおすすめしたいのは映画館や上映会に足を運んで「観る」こと。小さな画面と、上映のために整えられた環境とでは、音もディテールもまったく違います。そこで得た感動から影響を受け、自分の作品を通して新たな感動を誰かに与えられるようになります。この4年間で感性と個性をみがき、表現していきましょう。